『スマホ認知症』ってなに!?
先日(6月)、テレビのニュース番組で「6月14日は認知症予防の日」という特集を偶然目にしました。興味を持って視聴していると、不意に『スマホ認知症』という聞き慣れない言葉が耳に入ってきました。なんでも、現代人がスマホなどのデジタル機器を使用する時間・回数が大幅に増えており、その影響で脳が情報を処理しきれない過労状態に陥り、 “物忘れが増える”、“集中力が低下する”、“言葉がすぐに出てこない”などの認知症状が出現する人が増えているといった内容でした。
しかも、この症状はスマホ等との接し方やライフスタイルが大きく関係するため、スマホ等が身近な存在である若年層(10代~30代)の学生や会社員・主婦など対象の幅は広く増加傾向にあること、また、近年スマホ利用率が高まっている高齢者でも増加傾向にあること、などが話題となっていました。ニュースでは東京都内で日本初となる『スマホ認知症』の専門外来を開設した医療機関が紹介され、その医師が、“漫然とスマホを見る時間が長い人ほど『スマホ認知症』を発症するリスクが高い” ということを話されていました。

私自身、普段からスマホでSNSやインターネットを漫然と見てしまうことが多く、身につまされる思いでした。ふと、“1日のうちで自分がスマホやパソコンの画面を見ている時間の長さはどのくらいだろう?”と気になり、自分の1日の流れを振り返ってみました。起床してから就寝まで、仕事をしている平日にスマホやパソコン等のデジタル機器を使用している時間を書き起こしてみたところ、なんと1日の半分・12時間(仕事中のパソコン使用時間も含む)くらいはありそうです。そのうち、漫然とスマホ等を眺めている時間は毎日2時間以上あると思われました。
にわかに私はこの『スマホ認知症』がとても気になりだし、早速スマホを使ってインターネットで検索してみました(こんな記事を書いていながらなんですがスマホを使って・・・)。まず、この『スマホ認知症』という名称が正式な疾患名なのか気になり、厚生労働省が公開している疾患名コード表というもので名称を入力し調べたところ、該当する疾患名は見当たりません。どうやら現時点では国が認めている正式な疾患名ではないようです。検索を進めると、スマホの長時間使用による脳への影響が注目されはじめた2010年代後半から2020年代はじめ頃に誕生した、割と新しい名称のようです。とはいえ、この『スマホ認知症』に関する情報は予想以上に多く、さまざまなホームページで症状や対応策など丁寧に解説してありました。
ここで、私が調べた範囲で分かった内容を、簡単にまとめてみたいと思います。
『スマホ認知症』になりやすい原因
・目的もなくスマホを見続ける「だらだらスマホ」や、スマホを使いながら何か別のことをする「ながらスマホ」の状況が長時間続くと、膨大な情報が脳に休みなく入り続け、脳が過労状態に陥る。
・スマホの小さい画面を見続ける行為は、眼球運動がほぼ起きず、脳の同じ場所(部位)だけを使いやすいという特徴がある。特に、脳の前頭葉(思考、言語、行動の開始、感情の制御などを司る機能)の部位が過労状態に陥りやすい。
・スマホやパソコン等の画面から放出される「ブルーライト(青色光)」は非常にエネルギーの強い光で、目の奥まで届きやすく、就寝前に「ブルーライト」を浴び続けると目の疲労はもちろん、睡眠の質が悪化しやすい。
・睡眠の質や量が慢性的に低下すると睡眠障害になる可能性が高まり、脳疲労が改善されにくくなる(悪循環)。

『スマホ認知症』にならないための対策・予防法
・スマホの使用時間を決める。
1日○時間まで、寝る前はスマホを使わない、などマイルールを作るべし。
・すぐにスマホに頼りすぎない。
本で調べる、人に聞く、などスマホ以外の解決策も意識して使うべし。
・デジタルデトックスを行う。
一定期間スマホとの接触を断つ、電波の届かない場所に行く、などに努めるべし。
・良質な睡眠をとる。
脳機能の回復に“良質な睡眠は不可欠”と心得るべし。
・人と話す機会を増やす。
「会話」こそ認知機能を鍛える最高のトレーニングと心得るべし。
*参考:朝日生命保険ホームページ 認知症・介護関連コラム「スマホ認知症とは?原因やおもな症状・危険性・対処法」
*参考:PHP2025年7月増刊号 PHPヘルスケア「脳がどんどん若返る55の習慣」
『スマホ認知症』のことを調べてみると、スマホ自体というよりも、スマホの使い方やスマホとの付き合い方に気を付ける必要があるということが分かりました。さらに、調べてみて驚いたことには、「スマホ」を認知症予防に役立てる取組みや記事も数多く出てきたことです。
まさに “毒と薬は紙一重” ということわざのとおり、同じ物質でも、量や使い方によって、人体に良い影響を与える「薬」にも、悪い影響を与える「毒」にもなりうるんだなぁと考えさせられました。私はこの先、年齢を重ねてもスマホという文明の利器を、適度に、上手に活用していきたいと考え、今回調べた『スマホ認知症』の対策・予防法を日々実践してみようと思いました。
皆さんはいかがですか?『スマホ認知症』に興味を覚えた方は、ご自身で一度調べられてはいかがでしょうか。その場合、スマホで調べる際は「だらだらスマホ」や「ながらスマホ」にならないよう気を付けて・・・。
ここで、認知症予防に関連する令和7年度市民向け介護講座のご案内です。前年度に引き続き、今年度も『認知症は予防できるの?』という講座(参加費無料)を、
① 2025年9月2日 (申込開始:2025/8/1~)
② 2026年3月24日 (申込開始:2026/2/1~)
の2回開催いたします。
2回の講座ともに内容は同じで、講師は日本認知症予防学会専門医の江下明彦医師(医療法人江下内科クリニック院長)です。江下医師は、福岡市城南区内で長年に渡って地域医療・在宅医療に携わっておられる方で、認知症と認知症予防について分かりやすく、そして軽快なトークで楽しくご講義くださいます。興味ある方は、ぜひお申し込みください。
※注 『認知症は予防できるの?』の講座内容に『スマホ認知症』の内容が含まれるものではありません。ご了承ください。
